うた∽かた #12(終)「欠片の詩歌」

「世界の死」と「自分の死」の選択。「選べない」のではなく、「選ばない」。
きっと誓唯さんより一夏の方が、より深く、大罪と美徳とを経験し、最終的には向かい合うことが出来たのだろう。「道路にごみを捨てること」を相当の大罪だと思っているようだがw


現在だけが全てではない、鏡に映っていることだけが真実ではない。鏡には将来・未来は写らないのだ。(だからこそ、「鏡のジン」である沙耶、真夏、虵委は自分たちで決定するのではなく、「試しの子」に判断を強いるのだろう) ジンが感じ、見せてくれる全ての事象も、現在その瞬間ではあっても、それが全てではない。人は生き、時間は進む。一瞬一瞬が真実となり、さらに新しい真実がやって来る。
今選んでしまう必要などないのだ。この瞬間に全てのことに結論を出す必要などない。
昨日まで、わがままを言わないようにして、ミラノ行きを受け入れていた一夏、わがままを言い、ミラノ行きを拒否した一夏。そのふたつを真偽に分けることなど出来るのだろうか。どちらも真実なのだ。


あの「声」は、ちょっと蛇足っぽいけど、きっとスタッフの沙耶に対するフォローなのだろう。