Canvas2〜虹色のスケッチ〜 #13「セピアのトライアングル」


あれから4年、浩樹はよくやってるよなぁ。
もちろん、乗り越えたわけでも、本当の意味で立ち直ったわけでもないのだろうが、たとえ自分を誤魔化しつつであっても正常な日常生活が送れているのだからたいしたものだ。


確かに、こと絵画に関しては浩樹は天才肌のようだね。草原で風と戯れる霧の姿を見て浮かんだイメージを一心不乱にキャンバスに焼き付けんとする浩樹。それにしても、霧はわざわざ着替えたのだろうか。マネージャーってゆーより、モデル?


だからぁ、そんなときに同窓会なんか行っちゃダメなんだって! 「新人美術展落選=柳より劣っている」とのイメージが脳内に出来上がってしまっているときには、実物を見たらイカンのだ。たとえ感情的に自分を過小評価していたのだとしても、そういった前提で見えてしまうのだから。人間のものの見方なんてものは、その時々の感情に大きく左右される。


浩樹が文字通り筆を折ってしまう原因がついに描かれたわけだが、浩樹のようなタイプの場合「二度と絵を描かない」と心に決めたことよりも、描きたくても手が動かないのではないだろうか。朋子にして見せたように、気楽な気持ちで落書きする程度のことは出来ても、いざかしこまってキャンバスに向かうことは(少なくとも今は)出来なくなっているのかもしれない。「キャンバスに向かおうとして取り乱す浩樹」、そんな鬱シーンが近いうちに待っているのかもしれない。


ただ、これだと浩樹の断筆とエリスとは全く関わってはおらず、専ら霧側のエピソード扱いになってしまう。エリスエンド*1に向かうに当たってどのように絡めてくるのだろうか。
霧では癒せないということなのか。


浩樹は何故「ごめん」だったのか。
スケッチ旅行時の柳の言葉に支配されていたのだろうか。「僕たち3人は、ずっとこのまま友達なんだよ。」それはまるで呪いの言葉のように。
それとも、新人美術展に霧をモチーフにした絵で入選し、その上で自ら告白しようと思っていた機先を制せられてしまったからか。
こっちかな? それこそ「男のプライド」の問題だな。男は「エエかっこしぃ」だから、手柄を立てて「その勢いで告白してるんだ」といった(自分に対する)言い訳が必要なときもある。
その意味で、霧には「空気嫁」と言いたい。長いこと一緒に過ごしてきたのだから、美術展応募作品の仕上げという大事な時期ではなく、浩樹の入選を信じてもう少しだけ待てなかったのか。まぁ、霧のように真っ直ぐタイプで、しかもまだ高校生にそんな配慮を要求するのは酷だが。お互い若かったということだね。
柳に「絵*2」を盗まれ、最早霧をモチーフにすることは「プライド」が許さない状態*3になってしまった浩樹。これで浩樹の方から逆告白する芽も失われてしまった。


とすると、霧はどうしてあの時期に告白したのだろうか。スケッチ旅行がきっかけだったにしては日が経ちすぎているようだし。
単純に「女友達にけしかけられて」では面白くないな。季節は秋になっているようだが、高校3年生の秋と言えば、いよいよ進路を最終的に決定する季節である。もしかしたら霧は、浩樹の返答次第では「地元の国立」ではなく、浩樹と共に東京の大学に進学することも考えていたのかもしれないね。


駄々を捏ねるちびエリスは可愛いなぁ・・・


これならサブヒロインズ*4達をあっさり処理してしまったのも分かる。1クール丸々掛けて「エリスvs霧」を描くなんて贅沢だなぁ。

*1:勝手に決めつけてるがw

*2:私は絵心ゼロの人間だが、ただ綺麗に仕上げることだけが「絵」ではないのだろう。モチーフを含め、あらゆる要素の総合が「絵」なんじゃないかな。

*3:もちろん時間も足りない

*4:マッチレース確定につき、今回から「サブ」を付けますorz