機動戦士ガンダムSEED DESTINY ＃35｢混沌の先に｣
※撮り溜めを初見で感想を書いているので、現在から見ると見当外れの記載も多いと思われますが、どうぞご容赦をｗ
誰が戦わせているのか？
明らかにデュランダル議長だろ、これは。
「ロゴスを倒す事を宣言します！」
「ロゴスを倒す」とは具体的にどうすることなのか(頭目13人(だっけ？)を殺す？、拘束して裁判にかける？(何の罪で？)、彼らの率いる企業体を解体する？、軍需産業に頼る構造を是正する？)を全く示すことなく、かけ声ばかりの演説を繰り返し流して民衆を煽るばかり。
「人々の力というものは凄いな・・・」
ハァ？あんた、何言ってるか分かってるのか。そこっ、後ろにいる二人もっ！
あの演説がこれくらいの効果(民衆による蜂起)を持つことぐらい予想できたはずだろ。これが「想定外の事態だ」とでも言うつもりなら、一国のリーダーたる資質なんか皆無だよ。さっさと辞任しろ！
議長に盲目的に追従するバカ女二人は横に置いても、デュランダル議長にとっては民衆の蜂起など当然予測の範囲内のはずだ。
民衆は(特に集団化した場合)そこまで賢明ではない。ターゲットがロゴスの命だけで済むはずがない。混乱に乗じた略奪を含む暴力の嵐が地上では*1吹き荒れている。無政府状態に陥っている国も少なくはあるまい。
民衆は無責任だ。自分たちがブルーコスモスを育て、ロゴスのもたらす経済的恩恵を享受してきたことはすっかり忘れ、「魔女狩り」に狂奔している。冷徹な議長に利用されていることに無自覚なまま。
「皆さん、落ち着いてください(ユニウスセブン落下の時は言っていたじゃないか)」
「我々がこのような行動をとりますから、是非支持してください」
民衆の熱狂を沈めるようなメッセージは全く聞こえてこない。
あえて放置しているのだ。議長は「コーディネイターが間違った存在であると誰が決めた？」などと言いながらも、民衆の暴走によって被害を被るのはナチュラルだから構わないと思っているのではないか？
何度でも言うよ。本当にロゴスを倒して、争いのない世界が待っているのか？
頭目達を排除すれば軍需産業は無くなるのか。頭目が倒れたところで他の人物が、軍需産業を率いるだけではないか。産業と言うくらいだから、当然そこで働く人々はそれで生活の糧を得ている。その人々に氏ねというのか。軍需産業を縮小・解体する過程で生じる問題点をどのように解決するのか。
その筋道を示すことこそ、「ロゴスを倒す」のかけ声の次に議長が世界に向かって示さねばならぬ道だろう。
シンの増長や憎まれ口は別としても、レイの言っていることは、「一軍人としては」全くの正論だ。駒の一つに過ぎない*2現場の一兵士が、世界を語る必要はない。無用の混乱をもたらすだけだ。
次回は脱走するらしいが、ザフトの一兵士では自らの理想を実現することは出来ないことにようやく気づいたか。ちょっと遅すぎるが、まあ良い。アスランは「やれば出来る子」だから、これからの活躍に期待しよう。
アスランに関するこのテーマ(一軍人の立場と理想実現とのギャップ)は、私も何度となく指摘してきたが、本作において序盤から一貫していると言える。
実は、「敵(かたき)」と表現された「キラを討つ理由」として、「軍の命令だから」以外の個人的な理由を挙げるなら、アスラン・シン・レイの中で客観的に正当なのは、「セイバーを落とされた*3」アスランだというところがちょっと面白い。
シンの「敵(かたき)」とは、「ステラを殺された」だけど、いくら何でも「敵を殺したヤツが敵」とはいかないだろう。
レイの「敵(かたき)」とは、「クルーゼを殺された」だろうけど(知ってるんだろう)、レイにとっては大事な大事なクルーゼも、人類(コーディネイター含む)にとっての敵だったし。
議長と再会し、デスティニーを見て、無邪気に喜ぶシン。だんだん、人格が分裂・崩壊に向かっている予兆なのだろうか？
ここからは、アークエンジェル側。
いつまでネオを病室においておくつもりだ？
いかにアークエンジェルが軍隊ではないとしても、そりゃ無いだろ。仮にも元軍人の集まりなのに。
早晩殺すつもりなら知らないがｗ
ミリィは何でカメラ持って病室に来た？「キラ、久々の敗戦」の記念写真でも撮るつもりだったのかｗ
キラ生存については、一応説明しようと努力した跡が見受けられたね。
確かに、フリーダムのコックピットは胸部だったし、「nuclear reactor cut off」となっていたね(誤操作防止用に二つのボタンの同時押しが必要のようだ)。恐らく、フリーダムの核エンジンと「ニュートロン・ジャマー・キャンセラー」は同期しているだろうから、エンジン停止をしてしまえば、「ニュートロン・ジャマー」に抑えられて、核爆発だけは防げたのであろう。
全くの「不思議パワー」という描写に逃げなかったことは評価したい。
