絶対少年 #14-15「拮抗する二つの力」「アーバンフォークロア」

成基はいいヤツだな。ちゃんと希紗の話を聞いてやろうとしてくれている。
もちろん地の部分もあるのだろうが、希紗はあんな感じの話し方で誤解を受けやすいことは確かだろう。突然アマゾンのナマズの話を始めたら、大抵の人間は「ハァ?」といった態度になってしまうだろうが、成基はきちんと最後まで聞いて理解してやろうとしてくれる(長いつきあいの中で習得した技術なのかもしれない)。
さらに重要なことは、自分なりに理解したことを言葉にすることで、伝えたいことがどこまで伝わっているのかを希紗にも確認できるようにしていることだ。これによって無用な誤解を避けることだけではなく、希紗自身の考えをまとめる助けにもなっているとは。


そんな彼も四段昇進については、多少焦っているのかもしれないね。三段でどの程度足踏みをしているのかは不明だが、りえぞーに指摘された際扇子を握りしめていたね。


須河原と深山美佳の会話によれば、あの猫踊りの夜からは2年後の世界らしい。

追記

須河原の言っていた「人は見たいものを見る」から言えば、成基は、希紗が見ているものを「見ようと思った(希紗を理解したいと思った)」ってことかな?
最初はおぼろげな光、続いて次第にはっきりと(希紗の説明通りのものが)見えてくる。
視覚は共有することが出来ないので、他人の見えているものと自分の見えているものが同じである保証がない。
特に色なんてそうだと思う。「これは緑色なんだ」という定義づけがされているから「緑色」として認識し、他人と共有できる。