機動戦士ガンダムSEED DESTINY #25「罪の在処」

今回はアスランの一言一言に引っかかってしょうがなかった。現在の自分の身分(ザフト軍人)が大前提的に存在し、その前提自体を疑うことを放棄し、そこに囚われた考え方しかできなくなっているように思えたからだ。


やっぱりアスランあのときに(#10 「父の呪縛」)洗脳されちゃっていたのかね。
議長の考え方や論理性に対してではなく、人間性に惹かれてしまったことから、「あの議長がそんなことを命じるはずはない!」との逃げ道が用意されてしまった。


キラは、本物ラクスが襲われたことと、偽ラクスが登場したことの関連性を指摘したに過ぎない。本物のラクスがいなくなることで得をする人物は誰なのか?
それに対してアスランは議長の「人間性」を信頼するあまり、思考停止に陥ってしまっているようにも見える。


「他の人間が勝手にやったことかもしれない」、アスランは言うが、それじゃあ「議長が命じたことかもしれない」と考える人間を責めることは出来ないのでは?
「プラント・議長を信じられないと決めるのは早計だ」にしても、「無条件に議長を信頼するのは早計ではないか」と同じことだ。


「終わるまでは、仕方ない・・・」
前作のアンディの言葉をお返ししよう。「どうやって終わらせる?敵であるものを全て滅ぼしてかね?」
敵とは誰なのか?アスランは「プラントにだっていろいろな思いの人間がいる」と言った。それは地球連合ナチュラルの側にも当てはまるはずだ。とすれば、眼前の地球軍を倒すことが解決への道だと本当に言えるのか?
アスランの信頼・敬愛する議長も*1言っていたではないか。ブルーコスモス、そしてその母体となっているロゴスの存在を。


「俺だって撃ちたくはない、でもあれじゃ戦うしかないじゃないか!」
だんだんシンに似てきたな。
繰り返しになるが、アスランが軍人として、ミネルバクルーとして、軍の戦略・命令に従い対峙するオーブ軍・地球軍を倒すことがアスランの「望むこと」にはストレートには繋がらない。
アスランは、手法はともかく自らの判断で「自由」に行動しているキラを筆頭としたアークエンジェルと対等のつもりでいる。しかし彼はザフトの駒の一つになってしまっていることに無自覚なのではないか。駒に過ぎないアスランにとっては、眼前の敵を倒すことの意味・役割について考える必要がない分キラ達に比べれば楽な立場であろう。


前にアスランに対して政治家への転身を勧めたが(⇒#23 「戦火の蔭」)、今回を見ていて彼には無理だと思えてきた。彼には軍人しかないのだろう。
「オーブに帰れ、条約を破棄しろ」
カガリをサポートしようとはせず、(慢心から)自分にも出来ることがあるかもしれないとプラントに旅立ったために実情を知らない(知ろうとしていない)のだろうが、その困難さを理解していない。あのカガリをして苦渋の選択を迫られたような状況に対しての想像力が足りない。カガリのことを理解していないのだ。仮に条約を破棄して地球軍に再び攻め込まれたときに、(ザフトの軍人である)アスランは助けに来られるとでも言うのか?もうこんな奴ミーアにあげちゃって良いよ。
プラントに行ったはいいが、議長*2にはうまく丸め込まれ、結局は政治的にではなく、軍事的にしか力を発揮できていない。
「終わるまでは・・・」と言うが、戦争が終わってしまったら軍人以外に生きる術を知らない*3アスランはどうするのだろう。現に、開戦前のアスラン(アレックス)は亡命状態に近かったとはいえ、あまりにも生気がない様子だった


新オープニング。
少なくとも第3クールはキラが主人公らしい。
ルナマリアとシンはミネルバを離れたりしないよね。インパルスはミネルバでないと運用できないし。
まあ、先週までのオープニングにしたって、ルナマリアメイリンの離反は想像させるだけさせておいて起きなかったし。そこまで描いている余裕はないのかも。
カガリから去っていくアスラン。ありゃ今までさんざん弄んでおいて、今回みたいに理不尽なことを言って去っていくってことなのかw
ネオの表情だけ見るとムゥの面影があるようにも思えるけど、そんな無茶なw。ローエングリンの直撃を受けたストライクはシールド→頭部の順に破壊されたけど、コックピットは無事だったとか?アンディの前例もあるからあり得ない話ではないのだろうけど・・・
でも記憶喪失状態なら仮面(ヘルメット?)は不要だよね。


ステラ達のブロック・ワード。
以前のネオの台詞。「あれほど氏ぬのを恐れるあの子が・・・」からブロック・ワードは研究者達によって設定されたものではないとの推測をしたが(⇒#22 「蒼天の剣」)、アウルの「母さん」なんてわざわざ設定するわけがないよね。
だからブロック・ワードというのは、「彼らをコントロールするために(無力化するために)設定したもの」ではなく、「あの「玉手箱」によっても消すことが出来ず、そのワードによって制御不能に陥るため、周囲の人間に対して使用を禁止されているもの」なのではないかとの認識を新たにした。


レイの記憶。ほんの一瞬だけどいろいろ想像させられる。
ありゃコロニー「メンデル」かな?今回の施設は地球連合のものらしいから、いくら何でも赤服のザフト兵が出入りできるとは思えないし。
レイが誰か(笑)のクローンだったとしても、その成長には実年数がかかるはずだよね。とするとあの記憶は「血のバレンタイン」よりも前ということになってしまうけど・・・よく分からん。議長も今と同じ服装だし、「メンデル」での研究員とかってことじゃないのか?当時から政治家?
レイ(ちび)と議長、そして赤服・金髪の男。ありゃクルーゼなのかな?老化が始まる前で仮面は不要だったのか?でもクルーゼはナチュラルのはずだし、それなのに赤服が着られるほどの成績を残せたのだとすれば、コーディネイターの優位性(この作品の世界観)を根底から覆すことになってしまうのでは?大体ザフト創設っていつだ?「血のバレンタイン」よりも前なのかな?
それにクルーゼは、クローンとして生まれたことから世界を憎んでいたのに、自らのクローンを残そうとなんて考えるのかな?
分からないことだらけだw


強化人間製造施設に激しく憤るシン。
あれだけ怒るということは一般の認識として、「遺伝子操作と人間強化では遺伝子操作の方が安全」ということになっているのだろうね。でも、これはあらゆる技術について言える当然のことだが、遺伝子操作の技術が確立するまでの段階では、実験の失敗によって生み出され、処理されてきた多数の胎児・嬰児・幼児の存在があったのだろう。シンにだってマユ以外にも兄弟・姉妹がいたはずだったのかもしれない。そのことに思いを馳せるとき、「だからコーディネイターの存在は許される」とは素直に言えない。


次回。また竹田か!と思ったら、ラクス様(本物)のコンサートか?
わざわざ危険に身をさらすなんてラクス様本領発揮か。カガリの結婚式みたいにフリーダムが警備につく?
どうも先週あたりからラクス様が好きになって来ちゃったみたいだよ。今回だって、キラとカガリだけじゃなくって、ラクス様も同行していたら違う展開になっていただろうに。アスランとは逢いづらいのかな?
普段の様子を隠して、ミーアによって形成されたアイドルとしてのラクス・クラインらしくキャピキャピ振る舞っている姿を想像したらちょっと萌えた。単なるキャピキャピじゃなくて、「普段がこうなのに」というところがミソだねw

追記

予告のみを見返したら、どうやらコンサートではなさそう。グラサンの下から傷が見えるところを見るとあの竹田は変装アンディだね。でも胸は小さいまま・・・ラクス様のこだわりかw
大気圏離脱シャトルをフリーダムが警護してるし*4ラクス様はプラントへ向かうのかな?

*1:本心は分からないがw

*2:こちらはさすが政治家だ

*3:そのことを自覚していない分たちが悪いとも言える

*4:単独突入のみならず、単独離脱も可能とは!